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忠臣蔵上杉家始末

忠臣蔵上杉家始末

ひねくれている性格ゆえ、忠臣蔵モノはあまり好きではありません。
所詮、47名のテロリストによる暗殺事件ではないですか!
忠臣?武士の鑑?
浪人になった僻みでヤケになっての敵討ちに過ぎないのでは?とずっと思っていました。
吉良は地元では名君だった。浅野は癇癪もちのボンボンだった、という話を聞くたびに意を強くしていました。
そうは言っても、所詮は歴史の彼方。後世の我々が色々言った所で、空想の、虚構の話に過ぎません。
そんな中、この本は松の廊下の事件から忠臣蔵のあだ討ち後までを上杉家から見た話になっています。吉良家が上杉家のお荷物になっていたこと。直接、上杉家から護衛の武士を派遣すると幕府から何を言われるか分からないので、部屋住みの次男、三男を吉良家の家臣(要は護衛なのですが)にしたり、と、上杉家の苦労話がこれでもか、という位、書かれています。そこまで、苦労しても、結局は皆さんご承知のとおり、吉良は討たれて嫡男(上杉家当主の次男)は配流地で死亡しまい、お家断絶という憂き目に遭ってしまいます(今、調べてみたのですが、その後、再興されたようです)。
上杉家から応援に出した武士もみな死んでしまい、家老の一人は「浅野家の家臣はみなの記憶に残るが、上杉家から応援に出した武士は誰の記憶にも残らない。そんな彼らを弔うために出家する」と言って出家してしまいます。
うーん、諸行無常だなぁ、と思ってしまいました。合掌。