国際特許流通セミナー

http://www.ryutu.ncipi.go.jp/seminar_a/2006a.html#B3
B-3の侵害訴訟シミュレーションを聴講してきました。
現役バリバリの知財弁護士が原告被告の代理人に分かれて、1時間ちょっとで原告の警告状の送付、被告側の協議、訴状、準備書面の提出、口頭弁論の終結までの説明を、相当事前に調整をしたのではないかと思わず感じさせるほどのスムーズさで行なっていました。
内容自体は普通の裁判でしたが、シミュレーション後の弁護士のコメントがなかなか興味深かったものがありましたので、覚えているものだけ紹介します。

第一審での原告勝訴率は15%程度。控訴審で逆転負けを喫するものもあるので、実際の勝訴率は10%を切るはず。従って、原告は相当しんどい。

原告となるには相当の覚悟が必要だという事でしょう。法改正で、無効理由による抗弁も追加され、ますます、原告不利、というべきだと思います。

プロパテント化と言われ、高額の賠償金を得ることもできるようになってきたが、勝つ確率も低く、高額の賠償金を得ることも難しいのが現状。実際は、プロパテントとは反対の方向に行っている気がする。

まぁ、高額の賠償金を得るにはそれなりに法目的(産業の発達)に合致する必要があるという事でしょうか?

裁判が短期間で終結することにより、ヘタをすれば裁判官が発明を完全に理解しないまま終わる可能性もあるので注意が必要

準備書面も従来の淡々と述べる内容ではなく、パワーポイントや図面、ビデオを利用してとにかく分かりやすく作成する必要があるかもしれません。

知財弁護士ネットワークを立ち上げ、3500名の弁護士が参加している。ホームページもあるので、困ったときはぜひ活用して欲しい。

儲かりそうな新しい分野が出てきたからといってにわかに「知財」弁護士を名乗られてもなぁ、という気がします。もちろん、そうではない方もたくさんいるのは知っていますが、3500名というのはありえない数字です。にわか「知財」弁護士に仕事は頼みたくないものです^^;

和解でなければ困る、絶対和解をしてもらう、という裁判官がいる

え!?それは、まさか、高裁のあの裁判官では・・・・・