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ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]

ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション [DVD]

この作品は、そのタイトルどおり、ヒトラーの最後の日々を描いたものですが、それとは別に第三帝国の崩壊の過程をヒトラーの周りの人々の様子も含んだ群像劇としても描かれています。

作品は見ていただくとして、撮影がロシアのサンクトペテルブルグで行われたことも興味深いものがあります。
サンクトペテルブルグは旧名レニングラードでここは第二次世界大戦中にドイツに包囲されて900日間戦い抜き、最終的には陥落せずに−ただし100万人以上の死者が出たと伝えられています−ロシアにとってはスターリングラードと同じくらいに有名な激戦区であった場所であり、サンクトペテルブルクの市民にとっては戦後60年経ったとは
言え、ここでヒトラーに関する映画が撮影されるのは相当複雑な感情があったと思います。そういった因縁のある都市でベルリンを模した撮影が行われたのはなかなか興味深いものを感じさせます。

また、ヒトラーの傍近くに仕えた者はみなニュルンベルク裁判で死刑かもしくはソ連に抑留されてそのまま死亡したのかと思っていましたが、首相官邸の防衛指揮官に任命されたモンケSS少将やヒトラーの個人副官であったオットー・ギュンシェSS少佐(?)が21世紀まで生きていたことには驚くばかりです。そういった人々の戦後の生き方はどんなものだったのか、その辺りも興味がありますが、日本で知るのは難しいことでしょう。